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Power11プロセッサー搭載サーバーへの移行検討を開始する5つのきっかけ

Power11プロセッサー搭載サーバーへの移行検討を開始する5つのきっかけ

IBMのPower11プロセッサー搭載サーバーの出荷が開始されてから約半年近く経過しました。IBM Powerを使用している企業におけるPower11プロセッサー搭載サーバーへの移行は進行していますが、当然ながら移行の必要性を判断する必要があります。

サーバー移行に対するお客様自身の状況を把握する一助とするべく、サーバー・ハードウェアの更新が迫られる一般的なきっかけ(リース契約の満了からメンテナンス費用の高騰まで)を考察します。

    本記事は、以下の専門家から得た知見に基づいて構成されています。(編集部)
  • ランディ・ワトソン(Fortra社、キャパシティーとパフォーマンス分析のエキスパート)
  • アレックス・ラザロ(Fortra社、シニア・テクニカルコンサルタント)
  • ジャッキー・リンチ(IBM Powerコンサルタント)
  • ショーン・ボディリー(Clear Technologies社、シニアITコンサルタント兼サービスマネージャー)

2026年3月16日 アンドリュー・ウィッグ

Fortra社のキャパシティーとパフォーマンス分析のエキスパートであるランディ・ワトソン氏が、IBM Powerを使用する企業と長年にわたって仕事をしてきた経験の中で気づいた、企業が最新世代のサーバーに移行するきっかけとなる5つの一般的な要因について整理します。

目次
  1. 保証期間またはリース期間の終了
  2. サーバー統合
  3. クラウドへの移行
  4. ソフトウェアコストの削減
  5. 保守費用の削減

1. 保証期間またはリース期間の終了

一部の企業では、最新世代のサーバーへの移行が必要かどうかの判断が、あらかじめ決まっている場合があります。すなわち、サーバー・ハードウェアの更新が、何年も前に慎重に計画されたスケジュールに含まれている場合、決断は最も簡単です。

通常、そのスケジュールはリース期間と保証期間によって決まることを、ランディ・ワトソン氏は見てきました。保証期間またはリース期間の終了が、サーバー移行の主要なきっかけであることが多いのです。

2. サーバー統合

ランディ・ワトソン氏によれば、新しいサーバーを導入する2番目に多い理由は、サーバー統合によって得られる効率の向上です。

Fortraのシニア・テクニカルコンサルタントであるアレックス・ラザロ氏は、「同じ場所でサーバーを運用する場合、古い大型のサーバーを、電力消費料が少ない小型の新しいサーバーに切り替えることで、お客様は設置面積と電力消費料の削減による大幅なコスト削減を実現できます。」と付け加えました。

たとえば、Power10プロセッサーを搭載する4U筐体のIBM Power S1024モデルを使用している企業は、同程度の性能を持ちつつもモデル的には下位となるPower11プロセッサー搭載サーバーに移行することで、設置スペースを節減できる可能性があります。

これは、現行機(IBM Power S1024)と同じ4U筐体のIBM Power S1124ではなく、2U筐体のIBM Power S1122を選択することを意味します。

「性能面でIBM Power S1124とS1122の違いは何でしょうか? それほど大きな違いはありません」と、ランディ・ワトソン氏は言います。

3. クラウドへの移行

新しいサーバーを導入する3番目に多い理由は、企業がクラウドへの移行を計画しているかどうかだとランディ・ワトソン氏は言います。

ちなみに、IBMはクラウドへの注力を強めています。例えば、Power11プロセッサー搭載サーバーの発表では、Power Virtual Serverを介した新しいPowerサーバーの利用を、初めて新製品の一般提供開始日と同時に実現しました。

クラウド、メモリー、移行間隔の年数

クラウドは柔軟性を提供し、データセンターの維持管理が不要という利便性をもたらす一方で、クラウド独自の課題も抱えています。例えば、クラウドを選択する企業は、メモリーがクラウドのサービスの中で最もコストのかかるコンポーネントであるため、少ないメモリーで運用しようとする傾向があるとランディ・ワトソン氏は述べています。

「オンプレミスでIT環境を運用している企業の大半は、メモリーを既に購入済みなので、メモリーのチューニングについてそれほど心配する必要はありません。」とランディ・ワトソン氏は言います。「しかし、クラウドへの移行にあたり見積もり受け取ると、メモリーが高額であることに驚き、メモリーの削減の検討を開始するのです。」

しかし同時に、クラウドはハードウェアの計画で生じがちな「当て推量」の不確かさの影響を軽減する可能性があります。企業がオンプレミスでPower11プロセッサー搭載サーバー導入する場合、選択した減価償却期間(計画された移行の周期)にわたって十分な容量を確保する必要があるとランディ・ワトソン氏は注意を促しています。

IBM Powerのコンサルタントであるジャッキー・リンチ氏の見解によると、企業は移行の頻度を速めており、かつては5年が標準的な減価償却期間の年数でしたが、最近では3年が一般的になってきている、とのことです。「今後登場する新たな機能や改善点を活用できるように、3年サイクルを採用するケースが増えています。」とジャッキー・リンチ氏は述べています。

4. ソフトウェアコストの削減

新しいサーバーでこれまでと同じワークロード量を処理する予定であれば、移行によってソフトウェアのコストが削減できる可能性があります。

ソフトウェアのライセンス料はコア数に連動しているため、世代ごとにプロセッサー・コアの性能が向上するにつれて、同じワークロード量に必要なコア数は少なくて済むようになる、とランディ・ワトソン氏は説明します。

Clear TechnologiesのシニアITコンサルタント兼サービスマネージャーであるショーン・ボディリー氏は、このようなソフトウェアのコストの削減によって、新しいサーバーの導入費用を回収できる場合もあると述べています。

「多くの場合、コスト削減の最大の要素は、アプリケーションのライセンス料の削減です。そして、このようなライセンス料の削減額が、新しいサーバー・ハードウェアの導入費用を上回ることも珍しくありません。」

Power11プロセッサー搭載サーバーへの移行を促している機能

ジャッキー・リンチ氏によると、Power11プロセッサー搭載サーバーの機能で移行の決定に最も影響を与えているのは、以下の3つです。

AIネイティブ・アーキテクチャー
Power11プロセッサー搭載サーバーは、オンチップ・アクセラレータ―(MMA:マトリックス演算アクセラレーター)などのAIワークロード向け専用ハードウェアを搭載しています。さらに、IBM Spyre AIアクセラレーター・カードを装着することも可能です。
計画的ダウンタイム・ゼロ機能
IBMは、オンプレミスとクラウド間のアーキテクチャの一貫性と、「IBM Concert」や「Migrate While Active」といったツールによって実現される、AIを活用した自動化とシームレスなワークロードの移行により、Power11プロセッサー搭載サーバーにおける計画的なダウンタイムをゼロにすると約束しています。
パフォーマンスと効率性の向上
IBMによると、Power11プロセッサーはPower9プロセッサーに比べてコア性能が55%向上し、Power10プロセッサーに比べてキャパシティーが45%増加(スケールアウト・モデルとミッドレンジ・モデルではコア数も増加)しています。同等スペックのx86サーバーとの比較では、ワット数あたりのパフォーマンスが2倍向上しています。

5. 保守費用の削減

ソフトウェアのコストと同様に、旧世代のIBM Powerサーバーから、効率性が高いPower11プロセッサー搭載サーバーの下位モデルへの移行も、保守費用の削減につながります。ただし、システムの能力が高くなるほど保守費用も高くなる一方で、何も対策を講じないことも保守費用の高騰を招く可能性があることを考慮する必要があります。また、IBM Powerサーバーは、サポート期間の終了後の延長保守が利用可能ですが、「非常に高額になる」とショーン・ボディリー氏は述べています。

老朽化したハードウェア用に、入手困難な部品を調達するコストも懸念事項となります。「年月が経つにつれて部品の入手が困難になるため、ハードウェアの保守費用はますます高額になります。サードパーティー製のソフトウェアがバージョンアップされず古いままのため、現在もIBM Power 520 Express(POWER6プロセッサー搭載サーバー)を使っているお客様を私は知っています。そのお客様では、毎月のようにハードウェアの問題が発生しています。」とラザロ氏は言います。

重要な日付

IBMのサービス終了日と販売終了日は、移行のタイミングを決定する上で重要な要素です。今が移行に適切な時期かどうかを判断する際には、以下のマイルストーンを考慮してください。

  • 2026年1月31日
    Power9プロセッサー搭載サーバーのサービス終了日。この日以降、ハードウェアのサポートを受けるには、延長保守を購入する必要があります。
  • 2026年7月31日
    Power10プロセッサー搭載サーバーの販売終了日。この日以降、購入できるIBM Powerサーバーは、全て、Power11プロセッサー搭載サーバーになります。

これらの日程の影響を受ける企業にとって、「緊急の事態が発生する前に、新しいハードウェアに対応できるよう、HMC、Virtual I/O Server(VIOS)、オペレーティング・システムの準備をする時期が来たことは明らかです」と、ジャッキー・リンチ氏は述べています。

現在のサーバーを使い続けることを選択した企業は、より一層の注意と警戒が必要となるでしょう。「通常、最大の懸念はサポートと保守です。問題が起こるまで何もしないのは簡単です」とショーン・ボディリー氏は述べています。

関連情報


本記事は、TechChannelの許可を得て「Power11: The 5 Most Common Upgrade Triggers」(2026年3月16日公開)を翻訳し、日本の読者に必要な情報だけを分かりやすく伝えるために一部を更新しています。最新の技術コンテンツを英語でご覧になりたい方は、techchannel.com をご覧ください。

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