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2025.06.25
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外字を使い続けるために CGU同等機能製品「i-CGU」とは

外字を使い続けるために CGU同等機能製品「i-CGU」とは

寄稿:株式会社アイエステクノポート

IBM iにおけるユーザー定義文字(外字)の利用は徐々に減ってきているとはいえ、まだまだ現役で使っているお客様も少なくないのではないでしょうか。
そのような状況下に発表されたADTS一部機能サポート終了の報により、IBM i7.6以降では外字が使用不可になるという誤った認識を得ているお客様もいるかもしれません。
本記事では、ADTSの中でも文字作成ユーティリティー(CGU)のサポート終了により何が起こるのかと、弊社のCGU同等機能製品である「i-CGU」によって何が実現できるのかを解説いたします。

ADTS一部機能のサポート終了

2024年5月の発表以降、大きな反響を呼びながら、2025年4月30日をもってサポートを終了した機能。それが、IBM Rational Development Studio for i Application Development Toolset、通称ADTSの一部機能です。

日本IBMによるADTS 一部機能のサポート終了に関する記事の発行は一度だけではなく、2025年1月にも最初の記事を補足する形で記事が発行されました。また、このiWorldサイトにも以下の関連記事が掲載されるなど、現在もなお非常に注目を集めている内容と言えます。

関連記事:ADTS 一部機能のサポート終了について(ADTS : IBM Rational Development Studio for i Application Development Toolset)

文字作成ユーティリティー(CGU)は、標準的な文字セットに含まれない外字(規格外の漢字)をユーザー自身で作成・登録するためのユーティリティーです[上記関連記事より引用]。外字を使用しない、あるいは、既に登録されている文字のみを使用する場合は、CGUの利用は必須ではありません。このようなお客様の場合は、IBM i 7.6以降のCGU機能廃止による影響は少ないでしょう。しかし、業務上どうしても外字の新規登録や編集が必要になる場合は状況が異なります。

CGUのサポート終了とは、IBM i 7.6上でCGUを用いた外字の新規登録や編集、削除ができなくなることを意味します。そして、このサポート終了は、CCSIDの移行が難しい、あるいは都度登録や編集が必要といった現行のCGU利用者にとって、業務遂行が困難となる可能性を含んでいるのです。

CGUを拡張した機能性と利便性

弊社が開発を行い2025年5月より販売を開始したのが、CGUと同等の機能を提供する製品「i-CGU」です。

▲図1. i-CGU メニュー画面

図1の画面を見ていただくと分かるように、i-CGUはCGUに似た構成のメニュー画面です。ただ、実際に使っていただくと、機能性と利便性が大幅に向上していることをご理解いただけると思います。
例えばi-CGUの外字の編集処理機能では、実際に登録されている外字を一覧で表示します。※1

▲図2. 外字の編集処理機能ページ

従来のCGUでは、個々のデータを表示しなければ、どのような登録文字であるかを確認できませんでした。しかし、図2のように、i-CGUでは全ての登録データを一覧表示にして確認できます。
※1 登録した外字データを画面上に一覧表示させるには、クライアントPCへのフォントデータ取り込みが必要となります。

編集処理を行う画面でも、一覧表示画面と同様の機能性の向上を実現しました。

▲図3. 24×24イメージ編集画面

▲図4. 32×32イメージ編集画面

図3から分かるように、文字編集処理を行う画面において24×24イメージ編集画面は修正前後を横並びで比較しながらの編集が可能になりました。そして、図4の通り、32×32イメージ編集画面は1行単位のスクロール表示が可能になりました。このように、i-CGUでは文字の編集中に現在登録されている文字の確認や比較が行えるようになっています。

なお、i-CGUでは、システム内の外字データを直接編集するのではなく、製品内のワークスペースに外字データをインポートして編集するため、安全性が確保されています。また、印刷機能を拡張しており、範囲指定のみだったCGUと異なり、i-CGUでは個別指定や作成した文字の一括印刷も可能になっています。このように、i-CGUは、CGUと同様の機能を維持しながら、利便性の向上が図られた製品となっています。

i-CGUは、アイエステクノポートが100%自社で開発した製品ですので、サポート体制も万全です。

CCSID1399への移行検討にも有効

前章で示した通り、i-CGUはCGUの機能を拡張した外字管理製品ですが、他にも「拡張漢字照会」と「拡張非漢字照会」の機能を提供します。

▲図5. 拡張漢字照会機能

▲図6. 拡張非漢字照会機能

この機能は、CCSID1399で使用可能になった「新拡張漢字」と「新拡張非漢字」をそれぞれ一覧で表示できる機能です。漢字は検索ができ、非漢字では検索に加えて何に関する文字なのかをカテゴリー分けして閲覧できるようになっています。また、文字のコピー&ペーストも可能です。

この機能の具体的な使用イメージとして、「新しい顧客名をデータとして追加する際に、顧客名で使われている漢字を外字として登録する必要がある」「CCSIDでサポートされている範囲内であるかどうかを照会機能を使って調べられるため、外字登録の要不要が分かる」といったケースが挙げられます。「拡張漢字照会」と「拡張非漢字照会」により、外字登録の手間を省いたり、外字登録しなくてもいい文字を追加してしまう事態を回避できるようになります。

CCSID1399では、(有)や①など外字登録をして使われることが多い文字もサポート範囲内であるため、照会機能と組み合わせることで特殊な外字以外は追加登録せずに運用することが可能です。

上記のように照会機能を運用で活用するにはCCSIDが1399でなくてはいけないのですが※2、異なるCCSIDをご利用中の場合であってもどのぐらいの文字数が拡張されたのかは体感することが出来ます。具体的な文字数を出すと、CCSID1399では漢字が6,427字、非漢字は2,204字が追加で利用できるようになっており、照会機能を使っていただくことでどれだけ多くの文字が新たに利用できるかわかることから、この機能はCCSID1399への移行検討にも有効活用できるものとなっています。
※2 CCSID1399以外のCCSIDで拡張漢字照会・拡張非漢字照会機能を使用する場合、文字コードの違いにより正常に文字が表示されません。

今後の外字使用のあり方

CGUがサポート終了になっているとはいえ、既にIBM iへの外字登録が済んでいればフォント・テーブルのコピーにより外字データの移行が可能であることは、iWorld掲載記事「ADTS 一部機能のサポート終了について」中の「CGU以外での外字対応」でも取り上げられていた通りです。

したがって、i-CGUが必要となるのは、今後も外字の編集や追加、削除が運用の中で発生するお客様となります。すなわち、外字を使用する全てのお客様ではないかもしれません。ただ、ADTS一部機能のサポート終了という話題の中で広まっている「外字は今後使えなくなってしまう」という懸念は、i-CGUなどのCGUと同等機能を持つ製品によって払拭できます。外字を使用しているお客様は、IBM i が7.6以降になっても、CGUと同等機能を持つ製品を活用することで外字が使えますし、CGUの代替としてi-CGUをご利用いただければ、今までと変わらない運用も可能でしょう。

i-CGUをご利用いただければ、今まで通り外字を使い続けるとともに、今後も外字のメンテナンスを行うことも、照会機能をCCSIDの移行検討に有効に役立てていくことも可能です。外字を使い続けたいお客様だけではなく、CCSIDの変更を検討しているお客様も、i-CGUの導入をご検討ください。

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筆者

株式会社アイエステクノポート
ソリューション営業部
若梅 秀美

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