寄稿:日販テクシード株式会社
IBM iを活かし、周辺業務のDXを進める
なぜ、「MONO-X One」なのか?
多くのIBM iユーザー企業にとって、IBM iは現在も基幹業務を支える重要なプラットフォームです。長年にわたり安定稼働を続け、販売管理、在庫管理、受発注、会計など、企業活動の中核を担ってきました。
一方で、近年は次のようなご相談をいただく機会が増えています。
- 外出先や現場から、モバイル端末で基幹データを確認したい
- お客様企業やパートナー企業と、リアルタイムに情報を共有したい
- 電話やメールを介さず、必要な情報を利用者自身で確認できるようにしたい
私たちがMONO-X Oneに魅力を感じている理由は、このような要望に対して、IBM i上の基幹データや既存の業務ロジックを活かしながら、社内外の業務接点をデジタル化できるソリューションと考えているからです。
MONO-X Oneは、単にノーコードでアプリを作るためのツールではありません。IBM iを中心とした業務運用を活かしながら、お客様企業、自社、パートナー企業をまたぐ一連の業務を、Webアプリケーションとしてつなげられる点に大きな特長があります。
MONO-X Oneの3つの魅力
1. IBM iの基幹データをリアルタイムに活用できる
MONO-X Oneの大きな特長の一つは、IBM i上のDb2 for iのデータを活用しながら、業務アプリケーションを構築できる点です。
他のノーコードツールでは、データを別のデータベースやアプリ内に取り込んで管理するケースも見られます。しかし、MONO-X Oneでは、IBM i上のデータを直接参照したり、必要に応じて登録・更新したりする構成が可能です。
そのため、中間に別のデータベースを用意したり、バッチ連携でデータを定期的に移したりするのではなく、基幹システムのデータをリアルタイムに活用できます。
これは、IBM iを中心とした業務運用を続けながら、利用者との接点だけを新しくしていくうえで、大きなメリットになります
2. 既存の基幹アプリケーションを活かせる
MONO-X Oneは、基幹システムの周辺業務をつなぎ直すためのツールとして活用できます。
たとえば、見積作成、受注処理、出荷指示、在庫引当などが、すでにIBM i上の基幹システムで運用されている場合、その処理までMONO-X One側で作り直す必要はありません。
既存のIBM iアプリケーションで担っている業務ロジックはそのまま活かし、その前後にある依頼受付、進捗確認、情報共有、回答確認といった業務接点をMONO-X OneでWeb化する。
このように、既存システムで担うべき処理と、MONO-X Oneで新しく担うべき接点を分けて考えられる点が、実用的だと感じています。
3. 社内外の関係者をまたぐ業務アプリケーションを構築できる
MONO-X Oneは、単独の便利アプリを作るだけでなく、社内外の関係者をまたぐ一連の業務をつなぐアプリケーションとして活用できます。
MONO-X Oneは基幹システムと連携できるため、基幹データを中心に、お客様企業、自社、パートナー企業をまたぐ業務の流れをつなぐことができます。
お客様企業からの依頼を受け付け、自社側で内容を確認し、既存の基幹システムで必要な処理を行い、その結果や進捗をお客様企業やパートナー企業と共有する。
このような一連の業務を、IBM iを中心にしながらMONO-X Oneでつなげることができます。
私たちは、MONO-X Oneの魅力の一つは、この『企業間の業務を一貫してつなげられる点』にあると考えています。
導入事例に見る、企業間業務の変化
実際の導入事例として、あるお客様では、得意先からの依頼受付から、自社内での確認・対応、進捗共有までの一連の業務を、MONO-X Oneを活用して見直しました。
従来は、これらの業務がメール、Excel、個別連絡に分散しており、得意先からの依頼情報はメールやExcelで届き、自社側で内容を確認し、案件ごとの進捗や対応状況は担当者ごとの管理に依存する部分がありました。そのため、得意先と自社の双方で、同じ情報をリアルタイムに確認することが難しい状態でした。
このような課題に対して、MONO-X Oneを活用し、得意先と自社が同じ情報をリアルタイムに確認できる業務アプリケーションを構築しました。
具体的には、得意先からの依頼をWeb画面で受け付け、自社側では案件ごとの状況や対応状況を一覧で確認できるようにしました。さらに、依頼受付後の確認・対応・進捗共有までを、同じ業務の流れの中で管理できるようにしました。
これにより、従来はメールやExcel、個別連絡を追いかけなければ把握しづらかった情報が、MONO-X One上で確認できるようになり、得意先と自社が同じ情報をもとに業務を進められるようになりました。
MONO-X Oneで改善できたこと
この取り組みによって、主に以下の3つの点で業務改善につながりました。
| 改善点 | 内容 |
|---|---|
| 情報アクセスの改善 | 必要な人が、必要なタイミングで案件状況や対応状況を確認できるようになりました。 担当者への問い合わせや確認作業を減らし、得意先と自社が同じ情報をもとに判断しやすくなりました。 |
| 業務接点の標準化 | メールなど分散していた依頼受付や情報共有を、1つの業務アプリケーション上で管理できるようになりました。 これにより、担当者や部門ごとに進め方が分かれやすかった業務を標準化し、対応漏れや確認漏れを防ぎやすくなりました。 |
| 変化対応力の向上 | ノーコード・ローコードツールであるMONO-X Oneを活用することで、初期構築のコストを抑えられるだけでなく、日々の業務変化に合わせてアプリケーションを見直しやすくなりました。 業務ルールや確認項目が変わった場合でも、従来よりもコストを抑えながらシステムを変化させていくことができます。 |
この事例は、画面作成や一部業務の効率化に加え、得意先と自社の間にある業務の進め方そのものを整える取り組みにつながることを示しています。
IBM i上に蓄積された基幹データや既存の業務ロジックを活かしながら、社外との業務接点をWeb化することで、関係者が同じ情報を確認し、同じ流れの中で業務を進められるようになります。
基幹システムを中心に据えたまま、周辺業務の接点を変えていくことが、IBM iユーザー企業にとって現実的なDXの進め方の一つになると考えています。
▼基幹データを中心に取引先との見積依頼業務をMONO-X Oneで構築した場合の構成図
ノーコード活用で重要になる「業務整理」
MONO-X Oneのようなノーコードツールの大きなメリットは、アプリ構築のスピードです。一般的なスクラッチ開発と比べて、短期間で業務アプリを構築しやすい点は大きな強みです。
一方で、作りやすいからこそ注意すべき点もあります。それは、「便利なアプリは作ったものの、経営課題の改善にはつながらない」という状態です。
たとえば、特定部署だけで使う小さなアプリを作ること自体は意味があります。しかし、そのアプリが業務全体にどのような効果をもたらすのか、基幹データとどのようにつながるのか、既存業務のどこを変えるのかが整理されていなければ、効果は限定的になってしまいます。
特にMONO-X Oneは、基幹システムのデータを活用しながら、実際の業務に直結するアプリを構築できるツールです。だからこそ、アプリを作る前の段階で、以下のような点を整理することが重要になります。
- 業務課題と期待効果の整理
現行業務のどこに課題があり、その課題を解消することで、どのような効果を出したいのかを明確にします。 - 業務プロセスとデータ活用の整理
どの業務で、どのデータを参照し、どのタイミングで登録・更新するのかを整理します。 - 役割分担と情報共有範囲の整理
既存システムで担う処理とMONO-X Oneで担う処理を分けたうえで、お客様企業、自社、パートナー企業の間で共有すべき情報を整理します。
ノーコード開発では、開発そのものよりも、業務整理とアプリへの落とし込みの重要性が高まると考えています。
日販テクシードの取り組みと、MONO-X Oneで提供できるサービス
日販テクシードについて
日販テクシードは、東京都中央区日本橋浜町に本社を置くITソリューション企業です。
出版業界を中心に、業務システムの開発・運用、クラウド型サービス、イベントソリューションなど、幅広い領域でお客様の業務改革やDX推進を支援しています。
また、お客様の業務課題に寄り添い、企画・要件定義から設計、開発、導入、運用まで一貫して支援できる体制を強みとしています。
日販テクシードがMONO-X Oneで提供できるサービス
日販テクシードは、MONO-X Oneの販売パートナーとして、ライセンスの提供だけでなく、導入前の検討からアプリ構築までご支援しています。
MONO-X Oneはノーコードツールであるため、お客様ご自身でアプリを構築していただくことも可能です。一方で、基幹システムのデータを活用するアプリを作るためには、業務とデータの関係を整理し、既存システムとの役割分担を考えることが重要になります。
弊社では、業務システム構築の経験を活かし、以下のようなご支援を行っています。
| 支援内容 | 概要 |
|---|---|
| 上流検討の支援 | 現行業務の課題整理、利用シーンの整理、活用できるデータの確認、実現したい効果の整理などを行い、MONO-X Oneでどのようなアプリを作るべきかを一緒に検討します。 最初から要件が明確でなくても、現在の業務課題やIBM i上のデータ活用の方向性をお伺いしながら、活用可能性を整理します。 |
| トライアル利用の支援 | MONO-X Oneのトライアル利用を通じて、実際にIBM i環境と接続し、データを参照・更新できるかを確認します。 環境接続、検証内容の整理、PoCアプリの作成など、導入前の実現性確認をご支援します。 |
| ライセンス提供 | MONO-X Oneの販売パートナーとして、弊社経由でライセンスをご提供できます。導入をご検討いただく際には、利用規模や対象業務に応じたプランの確認も含めてご相談いただけます。 |
| 開発・構築支援 | お客様ご自身で開発を進めたい場合でも、最初の立ち上がりや1つ目のアプリ構築には不安があるかもしれません。 そのような場合には、先行アプリの構築支援、実現性検証、アプリ設計支援などを行い、スムーズな活用開始をご支援します。 |
「自社の業務でも使える可能性があるのか」
「今抱えている課題に対して、どのように当てはめられそうか」
「IBM iのデータをもっと活用できないか」
このような段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせ
MONO-X Oneの活用に興味をお持ちいただいたお客様は、弊社の「お問い合わせ」ページにあるフォームに必要事項をご記入の上ご連絡ください。
筆者
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日販テクシード株式会社 |












本記事は、株式会社イグアスのソリューション営業部が企画したもので、全3回を予定している連載記事の第3回となります。(編集部)