2026年7月14日、セブンシステム株式会社主催のセミナー「IBMと考えるAI時代の未来戦略」がホテルオークラ京都にて開催されました。
当日街は祇園祭り期間中。各町には、鮮やかで美しい大きな山鉾が立ち並び、神聖さと活気が調和した独特の空気が広がっていました。京都で長くビジネスを展開されているセブンシステム様の、セミナーの開催にとどまらず、この機会に祇園祭も楽しんでほしいという想いが伝わってきます。
会場であるホテルオークラ京都にも遠くからお囃子が響き、祇園祭の華やかな高揚感が広がっていました。受付開始とともに来場者が次々と訪れ、開会時には申込者のほぼ全員にご参加いただく盛況なスタートとなりました。
AIとIBM Bobがもたらす未来
セミナーはまず、セブンシステム株式会社代表取締役社長 青山 薫 氏のご挨拶から始まりました。
▲ セブンシステム株式会社 青山社長
次に登壇したのが、日本アイ・ビー・エム株式会社 理事 テクノロジー事業本部 Power & Cloud 事業部 事業部長 原 寛世 氏。 「IBMと生成AIが導く、持続的成長のための価値創出」と題した講演では、冒頭、1911年の創業以来続くIBMの進化への取り組みが紹介されました。半導体から量子コンピューターに至るまで、将来のコンピューティングに求められる性能向上に向けた継続的な技術開発について説明がなされました。
続いて、企業の持続的成長を支える価値創出の観点から、貴重な資産である基幹システムを活かしたDX推進の重要性が示されるとともに、IBM iがその基盤として適している理由が解説されました。後方互換性を担保するIBM i のRPGやCOBOLの活用継続が経済的である点や、それを支援するIBMの各種施策についても触れられました。
さらに、最新の「IBM Bob」によるAI活用を通じたIBM i のスキル確保と生産性向上についても紹介され、京都の夏にも劣らない熱量で語られる講演となりました。
続いて、株式会社イグアス 取締役専務執行役員 パートナービジネス事業部長 伊藤 瑞穂による「IBM BobがひらくAI活用の扉」が講演されました。冒頭、IBM アービンド・クリシュナCEOのメッセージ「これからを見据え、企業はAIとどのように向き合うべきか」が提示され、続けて、真の「AIファースト企業」へのシフトに向けて鍵となる、AI時代のデータ基盤の在り方が体系的に整理されました。
そして既存資産をレガシー化させることなくデータ基盤として活用するための考え方に加え、それを実現する手段としての「IBM Bob」について、株式会社イグアスにおける検証結果が紹介され、理解を深める内容となりました。
そこでは、IBM iを利用している企業は、AIを実際に機能させるうえで不可欠な要素である「データ」をすでに有している点も強調されました。この「データ」とIBMのAIソリューションの一つである「IBM Bob」を組み合わせることで、ビジネス変革を後押しできることが示されました。
お客様が語るIBM i の価値
ムーンバット株式会社 代表取締役 代表執行役員 鎌田 尚 氏による「変わる天候、変わらぬ思い、140年のその先へ」と題した講演では、ファッション事業における商品への想いや時代変化への対応について講演が行われました。見過ごされがちな潜在ニーズに着目し、「便利で必要」と確信できるレベルまで磨き上げる姿勢や、気候変動やユーザーの小さなニーズを捉える発想力、販路の変化に迅速に対応する実行力が紹介されました。業種を超えて示唆に富む内容であり、会場からも「自社でも参考にしたい」との声が聞かれました。
- ムーンバット株式会社
- ムーンバットオンラインショップ(雨傘・日傘・帽子等の通販サイト)
続いて、日本メディカルアライアンス株式会社 執行役員 情報システム部 部長 田中 顕 氏が登壇し、「システム停止は医療停止」という刺激的なメッセージで始まった講演は「わが社にとってIBM iは、止めないための基盤」というメッセージのもと、事業継続を支えるIT基盤への考え方が紹介されました。
「情報で医療をつなぐ」を使命とする同社にとって、システムを安定して動かし続けることは、単なるIT運用ではなく、医療現場、そしてその先にいる患者様を支える社会的責任です。そのため、「止まらない工夫」と「止まったときの備え」の両面から、事業継続への取り組みを進めています。
講演では、大阪と名古屋に分散した環境によるバックアップ体制や、実際の切り替え事例を通じて、万一の事態に備える重要性が紹介されました。障害発生時にも業務を継続できた背景には、二重化された環境、日々の訓練、そしてそれらを支える安定した基盤の存在がありました。
「当たり前に動き続けることこそが最大の価値」。
AIなど新たな技術活用が進む中でも、業務を支える基盤の重要性は変わりません。20年以上にわたり利用されてきたIBM iへの信頼と、「止めないことが、医療を守ることにつながる」という想いが強く伝わる講演となりました。
田中氏の熱意ある語りに、参加者は深く共感しながら真剣に耳を傾けていました。講演時間20分は瞬く間に過ぎ、参加者の関心の高さがうかがえる講演となりました。
セキュリティに対する関心の高さ
この日最後の講演は、「セキュリティ、基礎から最前線まで」と題して、株式会社イグアス パートナービジネス事業部 クラウド & AI営業開発部 薄木 良晴が登壇しました。
講演では、サイバー攻撃の最新動向を踏まえ、企業が今取り組むべきセキュリティ対策について解説されました。
近年、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、セキュリティはIT部門だけの課題ではなく、経営課題として捉えることが不可欠です。「これまで問題がなかった」という思い込みがリスクにつながる中、社員教育を含めた組織全体での意識向上の重要性が示されました。
また、対策の第一歩として、自社が保有するシステムやデータなど「守るべき対象」を把握・可視化することの重要性を説明。ランサムウェア対策では、侵入経路の管理に加え、バックアップを「取得する」だけでなく「確実に復元できる」体制づくりが必要であることが紹介されました。
さらに、AI活用が進む中で求められるセキュリティ統制についても解説され、利便性とリスク管理を両立した「管理されたAI活用」の重要性が語られました。
最後に、セキュリティ対策は、
「人(意識・教育)」
「仕組み(可視化・管理)」
「技術(防御・復旧・統制)」
の三つの視点で継続的に強化することが重要であるとまとめられました。
講演の最後には、今すぐやるべきこととして、
- 資産とアカウントの棚卸を始める
- バックアップの復元テストを実施する
- AI・IT利用ガイドラインを1枚配布する
といった予算・スキルがなくても今すぐできるアクション3つが紹介され、資料を撮影する参加者の姿もあり、内容への関心の高さが感じられました。中でもAIセキュリティに関するテーマでは、今後の企業活用に直結する課題として、多くの参加者が特に高い関心を持って聞き入っていました。
▲会場全体の様子
3時間にわたるセミナーは、セブンシステム株式会社 専務取締役 出路 喜朗 氏のクロージングご挨拶で幕を閉じました。
その後、京都嵐山を望むスカイバンケットで開催された懇親会では、お客様、IBM、セブンシステムの関係者が交流を深め、講演内容への感想や今後への期待を語り合う和やかな時間となりました。祇園祭の風情が残る京都の夜に、参加者は笑顔で会場を後にされ、盛況のうちに一日を締めくくりました。












<参考記事>Think 2026 参加レポート
AI革命の「Day Zero」が強調されたThink 2026と日本の現在地 | iWorld
<参考記事>IBM iのAIの活用における優位性を支えるもの
IBM iのAIの活用における優位性を支えるもの | iWorld