2021年7月23日 ジェシー・ゴルジンスキー
ジェシー・ゴルジンスキー氏がTechChannelで「Open Your i 」というブログの連載を開始します。IBM i上のオープンソースで何が起こっているのか、そしてその将来が何をもたらすかを学んでください。
まず真っ先に次の事を言わせてください。戻って来て良かった! 既にお気付きの方もいると思いますが、私のブログは暫くの間「お休み」していました。しかし、私のブログの新しい住処を見つけてくれたことに感謝しており、これを実現させたTechChannelの素晴らしい関係者と一緒に仕事できることは喜びです。事実、私の昔のブログはすべてTecChannelならびにここで読むことができます。
ブログの中断以降これが私の最初の投稿ですので、IBM i上のオープンソースで何が起きているかについて簡単に要約するのは理に適っているだろうと思いました。それと同じ位重要なことですが、私は将来どのような物がもたらされるのか期待しています。
これまで私達がいた場所:要約
今年多くのことが既に起こっています! 現実的に包括的なレビューを行うことはできませんが、幾つかの最盛期にある重要な物が思い浮かびます。過去に増して、現在オープンソース技術は日々のIBM iの講演の中で当たり前に取り上げられるようになっています。オープンソースは、ほとんどのカンファレンスやユーザーグループ会議で求められる話題です。それはまた、IBMロチェスター・エグゼクティブ・ブリーフィングセンターの人気のある話題でもあります。IBM iのコミュニティメンバー達は、YouTubeビデオ、ブログ投稿及びソーシャルメディア・フォーラムでの助言を提供するために綿密に準備しています。
技術が進歩する限り、私達は新しいバージョンのNode.js、PythonそしてPHPを手にします。それに加え、私達は最近のGCC 10へのアップグレードでもっと新しいコンパイラを手に入れました。他にも多くの物があり、Kevin Adlerのブログ(これについては後程詳しく述べます)を見ることをお勧めします。
私達が向っている場所
未来は何を用意しているのでしょう。もちろん幾つかの物は明らかです。間違いなくIBM i開発チームは、素晴らしいコミュニティメンバー達と一緒に、IBM iにもっと新しい技術をもたらし続けるでしょう。それとは別に、IBM iオープンソース・コミュニティは成長を続け、企業は毎日新しいオープンソース・ソリューションをもっと展開するでしょう。IBMはIBM i、OpenShiftそして他の場所で動くオープンソース・パッケージに対する世界に誇るサポートを提供し続けます。
エコシステムの成長につれて、統合は中核のテーマとして存続するでしょう。IBMは、オープンソースを元々保有している技術と結びつける技術への投資を継続する予定です。例えば、下記の物を通して、私達は成長し、次のようなオープンソースの機能を拡張し続けます。
- CL/RPG/Db2の呼び出しが出来る言語(Python、Node.js、PHP)統合ライブラリー
- 様々なメッセージキュー技術(ActiveMQ、Apache Kafka、MQTTなど)
- コグニティブコンピューティング及び量子コンピューティング技術との統合
- Apache CamelやNode-REDのようなエンタープライズ統合ツール
- Db2との接続性(ODBCを含む)
例えば、私達は正にNode.js ODBCバインディングに対する大量の更新を公開したところです。これにより、Node.jsアプリケーションはODBCが利用可能な任意の場所(Windows、MacそしてIBM i)から容易にデータベースにアクセスできます。
私達は、異なる技術同士の結合を容易にすることができる中核的OSへの機能拡張を引き続き推進することも予定しています。例えば、SQLの最近のデータ待ち行列機能(SEND_DATA_QUEUE及びRECEIVE_DATA_QUEUE)はDb2とオープンソース間で通信を行うための別ルートを提供するために実装されました。
これらの統合部品が重要な理由は何でしょうか? 簡単に言えば、そのお陰で開発者達は新しいソリューション構築にハイブリッドアプローチが取れるのです。
ハイブリッドアプローチの価値
ハイブリッドアプローチとは何を指しているのでしょうか? IBM iとオープンソースについて語る場合、本質的にそれは「両方の世界の最も良いところ」を活用するための方法論です。下に私がよくカンファレンスで使用する図を示します(私が図案デザイナーでないことは明らかです)。
私達は全員図の左にあるIBM iの素晴らしい特質を知っています。(私がそうであるように)もしあなたがIBM iと恋に落ちたのなら、それは多分これらの長所が理由です。私は数えきれないほどの回数、人々がIBM iを「戦車」と表現するのを聞いたことがあります。ITスタッフはシステムの信頼性を、取締役達はコスト効率の高さを愛しています。加えて、Db2 for iは市場における最良のリレーショナル・データベースだと私は本気で信じています。多分私達はそのことについて十分に話していません。
私達はオープンソースが主要な戦略的構想であることも知っています。数えきれないほどの研究が、デジタルトランスフォーメーションやイノベーションのためのオープンソースの素晴らしさを称賛しています。例えば、Forrester社の研究は、フォーチュン500社におけるオープンソースの採用とオープンソース戦略に伴うより良いビジネス成果及び顧客成果について論じています。
これらの事を知れば、ハイブリッドアプローチが重要であることは明白です。もし、会社がIBM iの最良の特長をオープンソースの気の遠くなるような革新と一緒に活用できれば、素晴らしい事が起こります。事実、IBM i Client Storiesというウェブページにある物語を通読すれば、ハイブリッドアプローチがデジタルトランスフォーメーションの一般的な技法であることが分かる筈です。Trans Am Piping社は自社の中核ビジネスへのウェブインターフェースを提供するためにPHPを使用しています。SAIB社はNode.jsを使ってアマゾンのAlexaと対話しています。Cras Woodgroup社はIoT技術を使って製造工程を制御しています。これらはすべて、ハイブリッドアプローチが明確なビジネス業績を生み出している実例です。
オープンソースのニュースについて行く
あなたが、IBM iのオープンソースに関する最新の情報を把握していない場合に備えて、幾つかの指針を差し上げます。あなたは私のブログを見つけたのですから、既に目的地への途中にいます! 先に述べたとおり、Kevin Adlerのブログから目を離さないようにもしなければなりません。彼は北アメリカのオープンソース・チームの技術リーダーであり、チームの前進に関する定期的な更新情報を、毎月優れた概要報告と一緒に提供しています。
しかし、単にブログが入手できるという以上のものがあります。もしIBM i上のオープンソースを使って何かをしている場合、または多少なりとも興味がある場合、Ryverのコミュニティ・フォーラムに参加することが必須です(まず、ここで参加してください)。
これらの資産及びもっと多くの物が、新しいIBM iのオープンソースのランディングページ(訳注)で利用可能で、ここで見つかります。このページは依然として成長しており、それはオープンソースですから、あなたはそれに貢献することができます! 他のソーシャルメディアチャネル(Twitter、Slackなど)だけではなく、主要な記事へのリンクを見つけることができます。これらの選択肢すべてによって、オープンソースの伝道師達がIBM iのための革命的な発展を続けるときに、あなたがついて行けると確信しています。
先に述べたように、未来に目を向けるとき統合ツールは重要であり続けます。次回の私のブログ記事ではApache Camelとして知られている企業統合フレームワークを紹介する予定です。それは、IBM iシステムをほとんど何とでも統合するのに使用できます。期待してお待ちください。いずれにしても、ブログが再開できたことを嬉しく思います。そして、オープンソースへの道を辿るあなたと出会うことを楽しみにしています。
(訳注)ウェブサイトに外部からアクセスする際に最初に開くページのこと
今やオープンソースは、ITシステムの開発や運用における中心的存在になっています。これはIBM iを使用しているユーザーにとっても無関係な話ではありません。ITシステムを急速に変化するビジネスニーズに即応できるようにするために、オープンソースを活用してその構造を変革する必要があります。その第一歩として、オープンソースの動向に常に注意を払い、自社にとって有用なオープンソース技術を把握しておくことが重要です。今回の記事で紹介されている各サイトは、そのための貴重な情報源になります。(編集部)