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2024.11.20
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米国IBM、ニュースルーム掲載記事でPower11に言及

米国IBM、ニュースルーム掲載記事でPower11に言及

 

米国IBM社は2024年11月13日付で「IBM Powerは、今後1年間でAIを使用してインフラストラクチャーをモダナイズし、イノベーションを加速します(IBM Power modernizes infrastructure and accelerates innovation with AI in the year ahead)」を銘打った記事を「ニュースルーム」のサイトに掲載しました。

この記事は、IBM Powerの製品担当であるVice PresidentのBargav Balakrishnan 氏が執筆しており、2025年に登場するイノベーションのプレビュー的な内容となっています。記事冒頭の、Power Virtual Serverの継続的な改善の紹介に続く、2つ目のトピックとして「IBM Power11プロセッサーのご紹介」が記されています。

本文では、「2025年にリリースが予定されているIBM Power11 プロセッサーを搭載する次世代サーバーは、プロセッサー、システム、スタックの各レベルでイノベーションを実現します。Power11 プロセッサー搭載サーバーは、ミッション・クリティカルなインフラストラクチャーのためのDXイニシアチブを企業が推進する助けとなります。」との紹介に留まっています。

一方、同記事内で紹介されているBill Stark氏の執筆記事「IBM Powerは、Power11プロセッサーを搭載したAIでインフラストラクチャーをモダナイズし、イノベーションを加速します(IBM Power modernizes infrastructure and accelerates innovation with AI with Power11 processor)」では、Power11 プロセッサー搭載サーバーの特長がより明確化されています。

  • Power11 プロセッサーは、より高いクロック周波数を実現する設計であり、同等クラスの IBM Power10 プロセッサー搭載サーバーとの比較で最大 25% 多くのコアをプロセッサー・チップに搭載可能
  • Power10 プロセッサーが提供した主要な機能(信頼性、可用性、保守性[RAS]特性)の強化、エネルギー効率とエネルギー管理の向上、耐量子暗号について、さらなる性能向上

そして、プロセッサー自体以外にも、以下のような改善が図られていると述べられています。

  • 新しいスタック・コンデンサーやヒートシンク、冷却ファンの改良など、パッケージングにおける改善
  • DDR5 DDIMM と拡張 OMI インターフェースに基づくメモリーの信頼性、容量、帯域幅の向上
  • MMA(Matrix-Math Accelerator)アーキテクチャーを活用するエンタープライズAIの様々なユースケースを引き続きサポート

AIワークロード関連については、上記のMMAアーキテクチャーに加え、2024年10月に開発意向表明「Statement of direction: IBM Spyre accelerator on Power platform」として発表されていた、IBM Spyre Acceleratorを将来のIBM Powerサーバーに組み込み、追加のAI推論機能を提供する件にも言及されています。

  • IBM Spyre Acceleratorは、エンタープライズ・グレードの専用アクセラレーター
  • IBM Spyre Acceleratorは、複雑なAIモデルや生成AIのユースケースに対応するスケーラブルな機能を提供
  • IBM Spyre Acceleratorには、32個の個別のアクセラレーター・コアを搭載
  • 各 Spyre は PCIe カードに取り付け
  • IBM PowerプロセッサーとIBM Spyreアクセラレーターが連携することで、次世代のインフラストラクチャーがビジネス向けの要求の厳しいAIワークロードを拡張

なお、IBM Spyre Acceleratorの計画の詳細は、2025年に発表される予定とのことです。


このような記事が出始めると、新しいプロセッサーを搭載したサーバーがいよいよ登場するのでは、と期待されます。IBM Powerにおけるサーバー・ラインナップの刷新は、エンタープライズ・モデル、スケールアウト・モデルのいずれかが先行発表され、一定の期間をおいて全製品が揃うのがこれまでのパターンです。今回は、エンタープライズ・モデル、スケールアウト・モデルのどちらが先に出てくるでしょうか?

現時点で、まだ、プロセッサーに言及しているという事実を踏まえると、新しいIBM Powerサーバーが発表されるのは2025年の新春ではないかもしれません。いずれにせよ、2025年は、IBM Powerのサーバー・ハードウェアの動向への注視が必要な年になりそうです。

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