Written by Andrew Wig (February 14, 2025)
最大の関心事は「サイバーセキュリティー」
Fortraが実施しているIBM i Marketplace Surveyにおいて、近年は連続して「サイバーセキュリティー」がIBM i コミュニティーの最大の関心事という結果が出ています。2025年の調査では、参加した250社のうち77%がサイバーセキュリティーを懸念事項として挙げました。そして、次点は「IBM iスキル」であり、「アプリケーションのモダナイゼーション」、「障害対策/災害対策」と続いています。

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IBM i Marketplace Surveyでは懸念事項をさらに掘り下げており、セキュリティーにおける課題は「セキュリティー管理とビジネス効率のバランスを取ること」、「セキュリティーに関する知識とスキル」、「日々刻々変化する脅威」が上位という結果でした。

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「最も心配なのは、セキュリティーについて適切な知識とスキルを持っていないと考える方々がいらっしゃることです。そう考えていらっしゃる方々が、トレーニングの機会、製品やサービスを活用しているかは分かりません。もし、社内にセキュリティーに関する適切な知識とスキルが無い場合は、お金を払ってでも信頼できる企業やサービスに支援してもらうべきです」
(IBM i CTOのSteve Will氏)
セキュリティー・ソリューションと災害復旧ソリューション
セキュリティー・ソリューション:IBM i Marketplace Surveyへの回答に見る、導入済み(または、導入予定)セキュリティー・ソリューションの上位3項目は以下の通りでした。
- 出口点セキュリティー
(参考記事:【温故知新】第9回「出口点・出口プログラムによるセキュリティーの強化」) - 特権ユーザー管理
- コンプライアンスと監査報告

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「全体的に良いニュースは、出口点テクノロジー、特権アクション、コンプライアンス、アンチウイルスなどの使用が増加していることです」
(Fortra社 Executive Vice PresidentのTom Huntingtonl氏)
災害復旧ソリューション:IBM i Marketplace Surveyへの回答に見る、準備済みの災害復旧ソリューションの上位3項目は以下の通りでした。
- 高可用性(HA)構成による復旧
- テープ装置からの復旧
- ディスク上のバックアップからの復旧

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「より多くのお客様が、数時間以内に復旧できる計画を実際に持っていることを願っています。何かが起きた時点と同じ状態に確実に戻れなければ、数日で企業が潰れてしまう可能性さえあるのです」
(IBM i CTOのSteve Will氏)
「バックアップから高可用性、災害復旧まで、様々な選択肢があるのは良いことです。その観点では、IBM i は非常に強力な環境なのです。そして、システムの稼働停止の原因が何であれ、IBM i のお客様は、バックアップもしくは高可用性構成によってシステムを復旧できるはずです」
(Fortra社 Executive Vice PresidentのTom Huntingtonl氏)
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関連情報
- IBM i 事業継続ソリューション一覧
注目すべきトレンドは「IBM i スキル」と「AI」
本記事の冒頭に画像として掲載している、IBM i Marketplace Surveyが集計した「IBM i コミュニティーの関心事」における上位の4項目(「サイバーセキュリティー」「IBM i のスキル」「アプリケーションのモダナイゼーション」「障害対策/災害対策」)は、順位の入れ替わりはあれども顔ぶれの変化は何年もありません。すなわち、IBM i に携わるIT担当者を悩ませている課題は不変となります。
一方、「AI/機械学習」が30%に達したことと、「IBM i のスキル」の順位が3位から2位へと変化したことは、注意を払うべき傾向と言えるでしょう。
世界的な傾向として、熟練した技術を持つ後継者が不在のままIBM i のプロフェッショナルが定年を迎えています(日本国内向け参考記事:「IBM i 技術者不足/後継者問題に対してIBMが回答する」)。そして、このような状況に直面して、IBM i を使用している企業は単なる人材プールを超えたソリューションや解決策に目を向け始めています。
「多くの企業や組織は、現在の専門知識を最大限に活用して業務を最適化するために、クラウドへの移行、マネージド・サービスの活用、アプリケーションのモダナイゼーションを行っています」
(IBM i Marketplace Survey)
「IBM i スキル」の課題の解決には、現在開発中の「RPG Code Assistant」のようなAIツールが役立つかもしれません。ただ、AIへの関心が高まる一方で、どのようにAIを活用しているかを問う設問に対して、回答した企業のうち57%が「上記のどれにも当てはまらない」を選択しました。ただし、現在、AIを活用していないという回答が多い一方で、将来的には意思決定用のデータ統合にAIが使われるようになると考える企業が77%であり、現時点では、AIの潜在的な利点を理解している人と実際にAIを使用している人の間に大きな隔たりがあることが明らかになりました。
なお、AIを「活用している」と回答した企業のうち、22%はコード開発に、17%は意思決定のためのデータ統合にAIを使用していました。そして、AIが価値をもたらすとIBM i ユーザーが考える領域の上位は、コード開発、システム管理/運用、セキュリティーという結果でした。
「AIが価値をもたらす、とIBM i ユーザーが考える領域は注力する必要性があり、IBM全般、そして、IBM i の戦略的重点分野の1つであることは確かです」
(IBM i CTOのSteve Will氏)
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RPG Code Assistant関連記事
- RPG Code Assistant プロジェクト: Steve Will によるアップデート
- RPG Code Assistant FAQ : Steve Willが疑問に答える
IBM i の継続使用について
将来におけるIBM i の使用に関する設問では、65%の企業がIBM iの使用領域を変更しないか拡大する予定であると回答し、10%の企業が一部のアプリケーションを異なるOSのプラットフォームに移行する予定であると回答しました。

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「総所有コストが低いことも、人々がIBM i を使い続ける理由の1つだと思います」
「一方、全てのアプリケーションをIBM i から移行する予定と回答した企業は、IBM i の先進性や利用の優位性をご存知ではない方が責任のある立場なのかもしれません」
「(アメリカの場合は)COMMONやユーザーグループが主催するイベントに、アプリケーションをIBM i から移行する予定と回答した方々が参加くだされば、IBM i の先進性や利用の優位性を認識いただけるはずです」
(IBM i product managerのDan Sundt氏)
(日本国内向け参考情報:「IBM i 施策メッセージ第2弾:IBM i 次期システム更改の稟議上申ポイントを日本IBMがご紹介します」)
本記事は、TechChannelの許可を得て「Cybersecurity Reigns as the IBM i Community’s Top Concern: Fortra Marketplace Survey」(2025年2月14日公開)を翻訳し、日本の読者にとって分かりやすくするために記述や構成を一部を更新しています。最新のコンテンツを英語でご覧になりたい方は、techchannel.com をご覧ください。
「恐らく、セキュリティーは今後も最上位の懸念事項であり続けるでしょう。現時点では適切なソリューションを持っていても明日は何が起こるのか、そして、どの様に危険になろうとしているかといった情報が、常に耳に入ってくるからです」
(IBM i CTOのSteve Will氏)