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2024.05.29
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IBM i 技術者不足/後継者問題に対してIBMが回答する

IBM i 技術者不足/後継者問題に対してIBMが回答する
IBM i 技術者不足/後継者問題に対してIBMが回答する

IBM i でDXに取り組むには?

iWorld Webの読者の方であれば、その方法をご存知かと思いますが、他方、IBM i でのDXへの取り組み方法がわからずに悩まれている方もいらっしゃいます。その真の原因は何でしょうか?

多くのIBM i ユーザーが抱える最大かつ共通の課題は「技術者、後継者」と言われて久しい状況です。
実際、アイマガジン株式会社による「IBM iユーザー動向調査2023」においても、昨年iWorldが実施した「ユーザー・大アンケート」でも、「システム要員不足」が過去数年にわたり常に最優先の課題として挙げられています。

一方、肝心のIBM i は毎年2回継続的に機能強化されており、システムの信頼性やセキュリティーを担保しつつ、OSS (オープン・ソース・ソフトウェア) やオープン系の技術が利用可能になっています。また、開発環境に関しても最新の Git や Jenkins を利用する CI (継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)環境も整備されていますし、SQL を使ったアプリケーション開発についても多くの実績があります。

IBM i ではDXが出来ないのではなく、武器は揃っているのに、それを使う人材がいない、というのが最大の課題といえるのではないでしょうか?

この課題に対して、IBM Powerの事業責任者である原 寛世氏が“IBMとしての回答”を「貴社における IBM i への懸念 (DX・技術者・後継者) を、日本 IBM が払拭します。」と題したブログ記事として公開しています。

詳しくは、一般公開されている当該ブログ記事をお読みいただくとして、このブログの最大のメッセージは、IBM i がいかにDXに最適なプラットフォームであるかという説明と共に、人材不足に悩むお客様に対し

  1. IBM i 技術者の橋渡し
  2. IBM i スキルリソースのプール化
  3. IBM i アプリケーションのモダナイズ・スキルを持つ技術者の育成
  4. IBM i 若手技術者同士による技術の研鑽

と、IBM自らが人材の確保・育成に乗り出しているということを表明している点にあります。

これについて、過去iWorld Webのインタビューにもご登壇いただいている原氏にWeb会議でお話を伺いました。

今回のブログ記事公開のそもそもの発端は、日本アイ・ビー・エム株式会社の山口社長が、地方講演などの席で「AS/400の将来性や後継者問題についてどう考えるか?」とのご意見を多く耳にしたことよるものとのこと。“日本アイ・ビー・エムとしてどうするのか?”という課題を託され、原氏も全国津々浦々のお客様、販売パートナー様を訪問し、3つの注力エリア(=柱)を決定されたとのことです。

第一の柱:経営者層への価値訴求

「AS/400はあまりに優秀な機械であるがゆえに、ほぼメンテナンス・フリー、一人情シスでも、ハードウェアの入替にも手間がかからず黙々と稼働する、というのがもちろん良い点であるのですが、それが課題も生み出していると思っています。」

「ひとつには、その昔AS/400採用を決定された先代社長から二代目社長に代替わりし、特に問題もなく数十年稼働し続けてきたシステムが、若社長にはどうしても古臭く見えてしまうという場合があります。IBM i はモダナイゼーションできるテクノロジー満載のOSであるのにもかかわらず、その最先端の使い勝手をきちんと訴求できていなかったという点が大きな課題と認識いたしました。二代目社長にも、IBM i は基幹業務を変えることなく最新のテクノロジーやトレンド、業界標準に合わせたDXが可能な、最強のプラットフォームであるということ、そしてこの機会にシステムをモダナイゼーションし、企業の価値を伸ばしていきたいと思っていただくところから始めなければと考えています。」

第二の柱:ユーザー・コミュニティーの形成

「もうひとつは、ユーザー同士の横のつながりです。以前は存在していたユーザー研究会も姿を変え、さらにコロナ禍の影響で、そのつながりが現在とても希薄になっていると感じています。先進的なユーザー様のモダナイゼーション事例などを通じて、「うちもこうなりたい」と思っていただけるようにならないとIBM i の世界は活性化しないと思っています。」

「まずは2年前より月一回のPower Salon(https://www.ibm.com/blogs/systems/jp-ja/ibm-power-salon/)でお客様による先進事例のご紹介などをしておりますが、こういったウェビナーでの情報発信に加え、お客様が直接対面で語り合えるようなコミュニティー活動も支援していきたいと考えております。例えば、大きなイベントを開催するのもよいのですが、地域ごとの小規模なユーザー様の集まりなど色々と検討しております。」

「これらの“経営層へのメッセージ発信”“ユーザー同士のつながり”を経て初めて、真のモダナイゼーションに対する機運が盛り上がるのではないでしょうか。」

第三の柱:技術者確保と育成

「そしてその際には最新技術を身に着けた技術者の存在が必須です。現在私どもでは、独立系ソリューション・ベンダー様を中心に、“技術者の国勢調査”を行っております。すでに多くの企業様から参加表明をいただいており、最終的に30社100名くらいのスーパー技術者(IBM i テクノロジーと、AIやクラウドテクノロジーなどIBM i 以外のテクノロジーの両方を理解する技術者という意味です)ディレクトリーを構築していく予定です。」

「そこでひとつ気づきがあったのですが、“技術者の高齢化問題”と言われて久しい中、現場には若手技術者の方も確かに存在しているということがはっきりわかりました。“若手技術者はRPGⅢをやりたがらない”という声もお聞きしますが、基幹系システムを担当する重責を担う若手の方はいらっしゃる、但しそういった方々はお客様毎にそれぞれ分断されており孤独でいらっしゃる、という現状も見えてきました。
そこで私どもではこの夏から若手技術者向けのコミュニティーを立ち上げたいと思っています。まだ詳細は確定していませんが、弊社の若手IBM i テクニカル・セールスを中心にゆるく情報交換できる場が出来ればよいと願っております。」

「また、今年の10月の最終週には、昨年開催して好評だったロチェスター・ツアーを実施したいと考えております。今円安なのが厳しい状況ではありますが、ここに是非若手技術者の方を送り込んでいただけたらと願っております。」


原氏の語る3つの柱に加え、IBM Powerには強力な新製品も発表されました。
連休明けの2024年5月7日に発表されたIBM Power S1012は、省スペースで、Power10サーバーの特長でもあるMMAによるAI処理機能やメモリー暗号化などによるセキュリティ機能が利用可能な上に価格は廉価であり、「拡張性は不要」 「S1014は価格が高い」といった小規模ユーザーの方にとっては、まさに最適なサーバーとなっています。
これまで高機能・高価格なPower10サーバーの購入に二の足を踏まれていたユーザーの方も、この機会に是非新しいサーバー+プールされた人材で新たなDXにチャレンジされてみてはいかがでしょうか?

来る2024年6月21日(金)には、IBM主催の夏の恒例イベント「IBM i World 2024」がIBM虎ノ門本社に於いて久々に対面で開催されます。技術者育成/IBM i DX推進の事例や新製品S1012の全容、さらに今回ご紹介したIBMの施策の詳細についてお聞きになられたい方はぜひ当イベントにご参加ください。
また、当日ご参加いただけない方に向けては7月にイベントの模様を収録したディレイ配信もございます。こちらも併せてご視聴ください。

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