テクノロジー・エキスパート・ラボ
茂木 映典
IBMシステムズ製品のサービス・オファリングの4つのカテゴリー
IBMシステムズ製品をご利用いただくにあたってIBMでは図1のような4つのサービス・オファリングを提供しております。

▲図1. IBM システムズ製品サービス・オファリングの4つのカテゴリ
エキスパート・ケアはいわゆる製品の保守サポートを提供するサービスで、シンプルで標準化された製品サポート手法を利用してIBMハードウェア製品の可用性を最適化し、お客様のIT運用コストの削減をお手伝いしています。このサービスには基本、拡張、プレミアムの3つのサービスレベルがあり、サービスレベルに応じた料金とサービス内容を提供しています。
エキスパタイズ・コネクトは、サブスクリプション型サービスと位置付けられており、テクノロジー・エキスパート・ラボ(旧システムズ・ラボサービス)と長期的な契約をしていただくものです。このサービスではテクノロジー・エキスパート・ラボの専門家をアサインし、お客様システムの安定稼働と将来の拡張を一緒に行なっていきます。
カスタム・オファリングは、お客様のシステム構築時や運用時における技術的な課題を解決するためにテクノロジー・エキスパート・ラボとお客様の要望に合わせたサービスを作り、提供させていただくものになります。
エキスパート・アシストはこれらの3つのサービスとは異なり、あらかじめ標準化されたサービス・オファリングをハードウェア購入時に一緒に購入することができる、新しいメニュータイプのサービス・オファリングになります。メニュー単位で料金が決まっており、複数のメニューを組み合わせてお客様、パートナー様のニーズにあったサービスを組み立てることができます。
エキスパート・アシストのコンセプト
エキスパート・アシストのコンセプトは、図2の通りです。通常のサービス提供までのプロセスは、サービスの内容や範囲、実施時期などを検討した上で、提供料金の見積もりを行い、それらの合意を得た上で契約を行うという流れでしたが、エキスパート・アシストは事前定義されたサービス内容や範囲、提供料金となりますので、必要なサービスを選択していただき、契約を行うことができます。またエキスパート・アシストはハードウェアの構成と同様にe-Configでサービスを選択し、見積もることができますので、複雑さをなくし、プロセスを簡単にしています。

▲図2. エキスパート・アシストのコンセプト
エキスパート・アシストのメニュー
エキスパート・アシストは現在、IBM Power製品とIBMストレージ製品に関するサービスを提供しております。IBM zSystemsやIBM LinuxONEに関するサービスも現在準備中です。
図3と図4はIBM PowerとIBMストレージに関するエキスパート・アシストのサービスメニューを示しています。個々のメニューの詳細については、IBMシステムズ製品営業までお問い合わせください。

▲図3. エキスパート・アシストのメニュー (IBM Power)

▲図4. エキスパート・アシストのメニュー (IBMストレージ)
ここでプロジェクト・ユニットという用語が出てきています。プロジェクト・ユニットとはエキスパート・アシストでのサービス提供単位となっています。1プロジェクト・ユニット=1週間 (40時間)のサービス期間になります。IBM Powerに関するメニューについては、すべて1プロジェクト・ユニットを基本としたものになっています。IBMストレージに関しては、緑で示したメニューについては、2プロジェクト・ユニット、青で示したメニューについては、3プロジェクト・ユニットとなっております。
エキスパート・アシストの利用例
エキスパート・アシストの特徴と利用例をまとめたものが図5になります。
図5の左側ではその特徴をまとめています。

▲図5. エキスパート・アシストの特徴と利用例
柔軟なサービス
エキスパート・アシストは幅広いメニューをプロジェクト、ユニット単位で構成できる柔軟なサービスです。また”フレキシブル・プロジェクト・ユニット”と呼ばれるお客様/パートナー様とIBMの間で相談の上、定義可能なメニューを用意しています。
より早く
エキスパート・アシストは事前定義されたメニューを活用することでソリューション・デザインを行う必要がなく、e-Configにより簡単に構成、提案を行うことができます。
より簡単に
エキスパート・アシストは料金も事前に決められていますので、見積もりも容易です。また購入後、12ヶ月間を有効期限として設定しています。これにより、お客様/パートナー様が必要なタイミングでサービスを利用することができます。料金もオンサイトとリモートの2種類を用意しており、ニーズにあったサービスを受けることができます。
図5の右側の図にあるように、エキスパート・アシストは様々な形でご利用いただくことができます。上段にあるHybrid Cloudプロジェクトの例では、標準メニューである”Implement Shared Utility Capacity”と”Implement PowerVC”の2つのメニューを組み合わせたものになっています。また。中段のパフォーマンス改善プロジェクトの例では、事前定義された標準メニューである”Analyze System Performance”に加え、”フレキシブル・プロジェクト・ユニット”を3つ構成しています。このように標準メニューで対応できないような範囲のサービスを”フレキシブル・プロジェクト・ユニット”を活用することで補完することができます。下段のカスタム・プロジェクトの例では”フレキシブル・プロジェクト・ユニット”だけでサービスを構成しています。これは標準メニューで構成できないようなサービス内容をIBMと相談し、構成しているものです。この場合、別途、サービス範囲や内容を検討する必要はありますが、料金の見積もりは簡単で短期間に実施することができるため、柔軟かつ容易にサービス利用を進めることができます。
まとめ
エキスパート・アシストの特徴を以下にまとめます。
- エキスパート・アシストは、IBMテクノロジー・エキスパート・ラボによるプロフェッショナル・サービスをより簡単に早くお客様、パートナー様に届けるための新しいサービスです。
- 事前定義されたサービスメニューから必要なサービスを選択して購入、利用することができます。
- フレキシブル・サービス・ユニットを使用して、お客様のニーズに合わせたサービスを作ることができます。
- e-Configを使用して簡単に見積もりを作成することができます。
IBMエキスパート・アシストは新しいタイプのサービスです。システムの構築時はもちろん運用フェーズなど様々なフェーズでご活用いただくことができます。
IBMでは、ハードウェア保守(HWMA)、ソフトウェア保守(SWMA)のほかにも、エキスパートの支援を得ることのできるサービスメニューがあるのをご存じでしょうか?
IBMテクノロジー・エキスパート・ラボ (テクノロジー・サービス、旧システムズ・ラボサービス) で提供されるメニューには、高度かつ複雑なシステム要件にフィットするようにカスタマイズして提供される「ラボ・サービス」のほかに、ハードウェアにバンドルして提案できる新しいサービス「エキスパート・アシスト」が追加になりました。これはあらかじめ決められたメニューのなかから必要な作業項目を選択する、いわば「カフェテリア形式」でIBMのテクニカル・エキスパートの支援を得ることが出来るサービスとなっております。
より利用しやすい形態となった「エキスパート・アシスト」についてご紹介いただきました。(編集部)