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2024.02.07
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【IBM i クラウド事例】株式会社宙様事例
「開発環境に最適なPowerVSの柔軟性」

【IBM i クラウド事例】株式会社宙様事例<br />「開発環境に最適なPowerVSの柔軟性」
【IBM i クラウド事例】株式会社宙様事例「開発環境に最適なPowerVSの柔軟性」

2020年日本でのサービス開始以来、IBM Power のクラウドサービス(IaaS)Power Virtual Server(以下PowerVS)はそのユーザー数を大幅に増やしています。また最近では、バックアップ機、開発機といったサブ利用目的ではなく、本番機としての採用件数も飛躍的に増加しています。
今回は、IBM i の老舗開発会社である株式会社宙で、本業である開発業務にPowerVSを採用した事例をご紹介します。(編集部)

お話をお伺いした人:株式会社宙 代表取締役 宮村 栄二郎 氏
http://www.so-la.co.jp/

株式会社宙は、AS/400誕生前年の1987年に大阪で産声を上げました。以後、IBM中小型サーバー製品を中心とした情報システム構築に関するサービス事業を展開し、アパレル業、製薬業、食品/化学品/機器製造業など多岐にわたる業種で多くの情報システムコンサルテーション、コンピュータソフトウェア開発を手掛けられてきました。

クラウド採用のきっかけ

株式会社宙では、もともと自社業務システムならびに開発用途で、IBM PowerとWindowsのブレード・サーバーを自社内で運用してきました。
社員は少数精鋭の4名という限られた体制で、そのサーバー運用や保守などのワークロードが負担になってきており、また独立したマシンルームのない環境で、サーバーの発する熱や騒音も悩みの種となっていました。

そんな中、2014年9月にブレード上のメール・サーバーがダウンする障害が発生。緊急対応でクラウド上のMicrosoft 365を採用したことが契機となり、その後次々にブレード上のDNSサーバーやホームページ用のサーバーなどもクラウドへ移行しました。
また、開発に必要なソース管理を行うSVNサーバーもAWS上へ移行しました。

そうなると、残るはIBM i を搭載したIBM Powerということで、自社の業務用システムは従来RPGで書かれていたものをPHPで書き直しAWSへ移行しました。しかし、開発環境だけはIBM i をお使いのお客様も多いためOPEN環境に移行することはできません。

そこで、各社から提供されているIBM i クラウドサービスの採用を検討しました。そしてその中で、完全従量制、構成の柔軟さから、2023年9月にIBMから提供されているPowerVSの採用を決定しました。

IBM i 開発環境の変化とPowerVS

PowerVS採用にあたっては、IBM i での開発環境が大きく変わってきたことも影響していると宮村氏は語ります。

昔は、自社のAS/400上でRPGやLANSAを使ってプログラムを開発し、それをお客様環境に納品するというのが一般的なやり方でしたが、ネットワーク環境の進化に伴い、今ではお客様環境に直接入って開発やメンテナンスをするという方法も増え、自社のIBM i環境の利用頻度が以前よりは減少していました。

また、開発言語もRPGよりも、PHPでの追加開発案件の方が主力となってきているというのも大きな変化のひとつです。PHPでの開発では、そのほとんどをローカルのPCで行い、DBアクセスの確認の時だけIBM i に接続することになりますので、IBM iのCPU負荷は昔の開発に比べると大幅に減少しているのです。

そこで大きな決め手となったのがPowerVSの柔軟な構成、ということです。

PoCを通じて評価されたポイント

実際株式会社宙では、PowerVSの採用前にIBMの支援の下PoC(Proof of Concept:実証実験)を行いました。

2023年7月から実施したPoCの当初は、CPUコア数:0.5、メモリー:8GB、ディスク:300GBという構成で開始したのですが、期間中にはこまめにIBM Cloud コンソールで利用実績を確認し、費用の観点からCPUは0.25コア、メモリーは6GBに減らしても大丈夫だという結論に達しました。
また利用回線は開発時のDBアクセスが主体でしたので、パブリック接続でも問題ないという評価を得ることもできました。結果、月額費用10万円台でPowerVSを利用できるという感触を得てPowerVSの採用を決定しました。

通常開発時は最小限のリソースで対応し、お客様へのデモ実施などの時には、瞬時にCPUパワーを0.25から例えば0.5に増強したりできるのがPowerVSの最大のメリットであると宮村氏は語ります。

これが他のクラウドサービスだと、資源増強には書類申請の後数日かかったりすることを考えると、PowerVSの柔軟性はAWSにも劣らないと評価しています。

またオンプレ時代のIBM PowerはPower6搭載機でOSもIBM i 7.1までのサポートという環境であったため、より新しい環境をお使いのお客様からテストデータをお預かりした際には、自社機にデータロードするために他社環境を借りてデータをコンバートする必要があるなど、かなりの手間がかかっていました。
PowerVSではOSの環境を保守期間中のものであれば自由に選択できるので、その苦労も解消されたということです。

このように自社でサーバーを管理する負担を軽減するだけではなく、より自社の利用形態に合わせた柔軟なシステム利用が実現できるPowerVSは、株式会社宙にとって最適の選択肢であったと言えるでしょう。

2か月間のPoCを経て、PowerVSの採用を決定された宮村氏は以下のようにコメントしています。

「PowerVSは費用面から大企業でしか使えないと思っていたのですが、PoCを利用して検証していったことで、我々のような小規模企業でも十分利用できると判断いたしました。
検証期間を通じて丁寧に支援してくださったIBMの関係者の皆様に感謝いたします。」

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