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2023.09.22
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【IBM iクラウド事例】光世証券株式会社様事例
証券システムのクラウド・リフトが導く「稼ぐIT部門」への変革

【IBM iクラウド事例】光世証券株式会社様事例<br />証券システムのクラウド・リフトが導く「稼ぐIT部門」への変革
【IBM iクラウド事例】光世証券株式会社様事例<br />証券システムのクラウド・リフトが導く「稼ぐIT部門」への変革

IBM i のお客様事例を入手できるPower Salonのご紹介

毎月第2水曜日朝9時から開催されている「IBM Power Salon」をご存じでしょうか?
IBM Power Salon:https://www.ibm.com/blogs/systems/jp-ja/ibm-power-salon/

これは日本アイ・ビー・エム株式会社IBM Power事業部が主催し、IBM Powerをお使いのお客様、ビジネス・パートナー様、ソリューション・ベンダー様が自由にご参加いただけるオンライン形式の集いです。ここで2023年4月に、IBM i 上で稼働する基幹システムをIBM Power Virtual Server(以下PowerVSと略)へクラウド・リフトした光世証券株式会社様の事例が紹介されました。

自社開発で基幹システムを運用

光世証券株式会社は1961年4月の設立、大阪に本店を置く独立系総合証券会社として、東京証券取引所に上場している企業です。証券会社が取り扱うほぼすべての金融商品に対応し、かつネットならびに対面で取り扱っている唯一の会社です。その対面取引とインターネット取引、フロントからミドル、バックまで、証券基幹業務を含むすべてのシステムを自社で開発運用されています。

そのシステムは、もともとIBMが誇るメインフレーム上で30年の稼働実績を誇っていましたが、2008年にオープン系システムとして再構築されました。その際に、24時間365日稼働可能、かつ堅牢性の高さが評価され、稼働プラットフォームとして選択されたのがIBM i でした。
この証券基幹システム「KICS」は証券業務のみならず、人事業務や会計業務など、フロントからミドル、バックまで一気通貫処理するオールインワンのシステムとして、2014年から外販も開始しています。

▲図1. KICS全体図

基幹部分はメインフレーム時代に構築されたCOBOLプログラムをIBM i 上で稼働させ、インターネット取引システムには高速開発ツール「GeneXus」で生成されたJavaアプリやVBのアプリを立て、エンドユーザーや連携先からは5250エミュレーターのみならずPCやブラウザ経由でのアクセスを可能にしていました。
またこれらのシステムは独自性とフレキシビリティを発揮するために、すべて自社で開発を行い、わずか6名という少人数体制で運用を行っているのも特徴的です。

オンプレミスの限界と次期システムの検討

2008年1月より15年もの間この「KICS」を支えてきたIBM i ですが、近年オンプレならではのデメリットも目立つようになってきました。
マシンは大阪本社のシステム部に設置されており、フロアの半分をサーバールームとして占有していました。2008年1月以降、機器の障害もほとんどなく、PTFを都度適用せずとも安定稼働を続けてきました。

しかしながら、IBM Powerも周辺のIAサーバーも老朽化は免れず、IBM Powerの保守終了の発表をきっかけに機器の入れ替えの検討が始まりました。
同時に自社ビルのサーバールームの空調設備の老朽化、光熱費の高騰など、その維持コストも問題となりました。
また、停電や災害時のBCP対策や、昨今のWeb攻撃の脅威への備えといった日々の課題に加え、あまりPTFを適用しない運用によって日々進化するソリューションを活用できないといったジレンマも浮上してきました。

こういった課題の解決策として、基幹システムのクラウド・リフトの検討を開始しました。

IBM Cloudのメリット

システムをクラウド上に置くことにより、検討当時に問題となっていた半導体不足による納期問題など物理的な機械の制限を受けないというメリットに加え、自社サーバールームの老朽化問題も解決されました。またIBM iのみならず、周辺のIAサーバーもIBM Cloudへ移行することにより、Windows環境の老朽化問題も解決し、必要な時に必要なリソースの追加が柔軟に対応できるようになりました。

とはいえ、光世証券では初めてのクラウド利用にあたり、従来のオンプレのシステムがちゃんと稼働するのか?通信速度や処理性能は大丈夫なのか?といった不安もあったそうですが、クラウドならではのPoCの実施が役立ったと言います。

通常オンプレマシンを購入する際には事前に要件定義を行い、必要なマシンリソースを確定してから注文する必要があります。
それに対して、今回はまずPowerVSの上にテスト(PoC)環境を作成し、実際に通信速度や処理性能を確認しました。
PoC環境も実に簡単にクラウド上に再現でき、古いシステムをそのまま移植してそのまま稼働したことにまず驚かれたそうです。通信速度もSSL VPNを利用しても全く問題なし、IBM i 自身は最新のプロセッサー搭載でむしろ処理速度が速くなっていることが確認され、オンプレと遜色ないことがわずか2か月のPoCで確認できました。

また検証を行いながら、例えば従来IAサーバーで稼働させていたwebアプリケーションをWebSphere Application Serverへ移植しIBM i へ統合してみよう、とか、サーバーをもっと増強してみよう、とか何度もトライをして検証できたというのも画期的だったとのことです。

検証をしながら、動かした後に要件を定義できるのもクラウドの柔軟性のメリットです。
こうして2か月の検証作業の後、2か月でその検証環境のクローンを移植し、光世証券のクラウド・リフトは無事に完了しました。

検証の途中で、アジャイルに新たな機能拡張も実施

今回のクラウド・リフトにあたっては、単に今あるオンプレの基幹システムをクラウドへ移設しただけではなく、新しい機能の実装にもチャレンジしました。

今まで必ずしもOSを最新化してこなかったがために実装できなかった新機能を取り入れ、例えばチャットボットのサービスやスマホのLINEから基幹システムにアクセスする機能など、時代や用途に合わせた最適インターフェースへの対応が可能になりました。また、従来はデータ分析用に手作業でデータ抽出して社内のファイルサーバーへおいていたものを、API連携で外部クラウドサービスであるBOXへ直接格納することにより、作業効率の改善にも貢献できるようになりました。

これらの新機能もPowerVS=クラウドならではの柔軟性により、何度もサイクルを回しながら検証をし、短時間で実装することができました。

▲図2. クラウド・リフト後の「KICS」全体図

このように、30年以上蓄積してきた基幹システムのノウハウや、IBM i の信頼性、資産継承性はそのまま引き継ぎつつ、IBM i の最新テクノロジーを採用し、外部サービスとも連携し、時代に即したDXが実現可能となりました。

利益を生み出す情報システム部門を支えるPowerVSは、その俊敏性で新しいビジネスモデルの提案をお手伝いできることを証明した事例でした。ITシステム部門が「コスト」から「会社の利益の源泉」に生まれ変わるきっかけになることを願ってやみません。

最後に…“稼ぐIT部門”の仲間を積極採用中!

光世証券様では情報システムを支える新しいメンバーを募集中とのこと。ご興味のある皆様、応募してみてはいかがでしょうか。
このPowerVS事例の詳細をお知りになりたい方はぜひ、IBM Power Salonでの光世証券様のご講演(録画)をぜひご視聴ください。

参考リンク

【光世証券様 プレスリリース】証券会社向け 基幹業務システム”KICS クラウド”の提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000129857.html

【日本IBM様 プレスリリース】オムニサイエンスと日本IBM、IBM iで稼働する光世証券のサービスをクラウド化
https://jp.newsroom.ibm.com/2023-09-26-Press-Release-195370-01

【オムニサイエンス】PVS One サービスサイト
https://www.omni-s.co.jp/pvsone/

IBM Power Salon:https://www.ibm.com/blogs/systems/jp-ja/ibm-power-salon/
PVS One:https://www.omni-s.co.jp/pvsone/

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