2024年10月22日 ブランドン・ペダーソン
IBM iコミュニティが再び忙しくなる季節、秋になりました。これはIBM i向けの最新テクノロジー・リフレッシュである、IBM i 7.4 TR11とIBM i 7.5 TR5のことを意味しています。これらは2024年10月8日に発表され、大部分が11月22日に利用可能になり、残りの機能は年末までに利用可能になる予定です。
このテクノロジー・リフレッシュに含まれるすべての情報は、更新ページで読むことができます。IBM i 7.4 TR11およびIBM i 7.5 TR5のページ(英語)をご覧ください。
2024年10月8日の発表に加え、IBM i向けの新しいサービスであるIBM i Migrate While Activeが本日10月22日に発表されました。新しいオファリングの概要と、今回のテクノロジー・リフレッシュに含まれる最新の拡張機能について説明します。
IBM i Migrate While Active
IBM iユーザーの多くは、開発/テスト、バックアップ、DR、本番ワークロードなどに使用するためにIBM Power Virtual Serverを採用し始めているか、既に採用しています。他のお客様からは、業務をサポートするビジネスクリティカルなアプリケーションをオンラインで提供し続けながら、そのIBM i のワークロードを Power Virtual Server に移行する機能が欲しい、という要望がありました。
IBM iチームはこのユーザーからのご期待に応えて、本日IBM i Migrate While Activeを発表します。IBM i Migrate While Activeは、動作可能な時間を維持しながらIBM iワークロードのPower Virtual Serverへの移行を加速するための機能を提供します。これは、パーティションの基本システム保管をマイグレーションするための様々なパターンの選択を通じてユーザーをガイドし、IBM iパーティションが IBM Cloud上に復元されている間に発生するデータ変更を、追跡および同期するためのデータ同期ステージを提供します。
IBM PowerHA SystemMirror for i
IBM i Migrate While Activeに加え、IBM iのHAポートフォリオに機能拡張と改善が行われました。IBM PowerHA SystemMirror for iがPower Virtual Serverとの統合を拡大しました。これはハイブリッド・クラウド環境用の既存の地理的ミラーリング・サポートの上に構築され、このリリースではPower Virtual Server内のIASPベースのレプリケーションおよびスイッチング・テクノロジーがサポートされるようになります。これにはIASPに対するグローバル・レプリケーション・サービス、LUNレベルのスイッチング、IASPベースのFlashCopyなどが含まれます。グローバル・レプリケーション・サービスは、Power Virtual Serverの2つのデータセンター間の非同期レプリケーションをサポートし、オンプレミス環境で使用されるグローバル・ミラー・テクノロジーと同様の管理体験を提供します。PowerHAの最新情報の詳細については、こちらをご覧ください。
Db2 for i
DB2 for iの更新がなければテクノロジー・リフレッシュではありませんが、今回も同様です。このテクノロジー・リフレッシュは、コードのパフォーマンス向上、データベース・エンジニアの効率の向上、およびUUID(汎用一意識別子) 作成の簡便化の3つの機能強化を含む、IBM iでモダンなアプリケーションを開発するのためのデータベースに対するいくつかの更新をお届けします。
DB2 for iサービスを使うことでMTI_INFO表機能が強化拡張され、SQLパーティション表上に構築されたMTI(保守一時索引)の詳細を返す際に、メンバー名の情報が含まれるようになりました。まだやっていない方は、忘れずにこのページ(英語)をブックマークしてDb2 for iの最新の更新情報を確認してください。
Code for IBM i
Visual Studio Codeから直接RPG、CL、COBOLを維持管理するための拡張機能であるCode for IBM iは、39,000件を超えるインストール実績をもち、IBM iコミュニティの47人の積極的な貢献者達と共に利用者が拡大しています。このオープンソース・プロジェクトは、引き続きモダンなIBM i開発の実践をサポートし、このテクノロジー・リフレッシュでいくつかの機能強化を提供します。
DB2 for i拡張機能には、ノートブックのサポート、複数結果セット、およびSQLエラーロギング機能 (SELF) ビューの統合を含む拡張機能があります。また、デバッグサービス管理、拡張された言語サポート、強化されたツールチップ、改善されたDBCS処理、そして表示ファイル、物理ファイルおよび論理ファイル用のローカル・ワークスペース・コンパイルも利用可能になりました。コミュニティがCode for IBM iに対して行ったこれらの機能拡張およびその他の機能強化についての詳細はGitHubページ(英語)をご参照ください。
システム運用管理
IBM iのサブスクリプション・ライセンスへの移行に伴い、システム運用管理者が環境内のライセンスの状況を簡単に確認できるように、IBM Navigator for iを更新しました。ダッシュボードとシステムのホームページで、オペレーティング・システムのサブスクリプションの有効期限切れが近付いていることを明確に通知します。IBM iサブスクリプションおよびシステム製品ライセンスは、カスタマイズ可能なしきい値をモニターでき、これらのしきい値は「接続プロパティ」で構成可能です。
IBM i Access Client Solutionsも今回のテクノロジー・リフレッシュで機能強化されています。これには、カスタム・ユーザー・サンプルの管理の拡張およびIBMが提供する新たな「Insert from Examples」の追加が含まれています。Navigator for iの最新情報はこちら、IBM i Access Client Solutionsの最新情報はこちら(英語)をご覧ください。
本記事は、TechChannelの許可を得て「 Announcing IBM i Migrate While Active, and Other Offerings From IBM i Technology Refresh」(2024年10月22日公開)を翻訳し、日本の読者にとって分かりやすくするために一部を更新しています。最新の技術コンテンツを英語でご覧になりたい方は、techchannel.comをご覧ください。
IBM iおよびIBM Power製品のマーケティングマネージャーであるブランドン・ペダーソン氏が2024年10月に発表になったIBMの最新オファリングの見どころを要約、解説します。
当記事でカバーされていない、IBM i V7R5 TR5の機能拡張の詳細やIBM Powerのハードウェア機能拡張などについては、iWorld Web掲載の別記事も併せてご参照ください。
※併せて読みたい
「IBM i V7R5 TR5の発表、HW機能拡張、サブスク・ライセンスの追加発表など」
(編集部)